田舎では空き家が増えています。山梨は空き家増加のトップランナーだそうです。
国としてもこの事態を放置すれば社会に危険が増すとして国策として対策を取ることにしました。
経済効果も狙っているようですが、思惑は実情にマッチするのでしょうか。
私たちは過疎地域に事業所があり人口の減少、地域の経済活動の縮小は営業成績に大きな影響を及ぼして来ました。
そして空き家も増えています。
実は私は移住者です。
この地域で家を探した時になかなか見つかりませんでした。
物件として流通に乗らないのです。
それはなぜなのか。
ひとつは地縁があります。
土地に結びついた思いが詰まっている家です。他人に売り渡すことはなかなか思い至らない。
家という字には祖先を祀る「たまや」の意味があります。代々の魂が付いてくる場所です。
私たちは看板に屋の字を使いました。
屋の字には住まいを求めて得る意味があります。
空き家とはむなしく寂しく感じる字であり、空き屋とは求める人のためにあるというオープンなイメージが浮かんだ訳です。
リスペクトは欠かしませんができるなら前関係者の念の影響を避けて通りたいという願いが込められています。
ちなみに私の手に入れた住処は「屋」です。
かつての飲み屋の2階でまかないの人が住み込んでいたのだと思われます。
出典:市原市
県が空き家対策をビジネス化するなら補助金を出すことにしました。
ビジネスなんですね。
家に祀ろう念は度外視です。
私たちの考える空き屋対策は少し違います。
ビジネス主導ではなく、地域の営みを継いで行くことに主眼があります。
リスペクトがあるとしたならここだと思ってください。
リフォームとはひとつの建物のみならず地域もリフォームされるのだと思います。
特に農業地域では、住む人が変わり生業が変われば至極当然に周りの風景も変わって行きます。
そこの処を雑然とならず整然とした成り行きに導くにはやはり対話が必要なのではないでしょうか。
私たちは事業所に「お話処」を設けました。
かつては小売りをしていた店舗空間です。
その場での小売りはほぼなくなりましたので事業所内での空き屋になっていました。
その活用方法として地域の営みの継業と変わり行くであろう風景の柱を対話で想像し得るよう人が集まれる場を設けました。
この英単語にはウエルカムの意味があります。
誰でも受け入れる。抱きとめるという気持ちが込められています。