建築士法に拠り与えられる国家資格です。
その役割は一言で言えば社会に建築基準法を守らせること。
はっきり言って創造的な意味合いを持ちません。
それは官僚の発想から生まれた立場であるからです。
そうは言っても限られた人しか担えない立場にいますからそれなりに尊重されていると感じます。
世の中には建築家という人たちもいて、彼らは創造性をまとっているが故に目立ちますが、大抵の建築士は地道に社会の底辺を支える仕事をしているのです。
その実力は、近年の建物における地震被害の少なさに現れていると言えます。
建築士の知り得ている知識と手段をもっと世間の人たちがあてにしてくれたなら、もっと安全で快適な社会が実現するのに多くの建築士はそう感じながら日々の仕事をしていると思います。
新築の場合のみならず、耐震、断熱つまり省エネ、バリアフリー化、耐火性能の向上、雨漏りのない納まりなどです。
使い勝手や快適な環境は当然のこととして、使い続けることで建物の価値を感じさせてくれるはずです。
建築基準法により一定規模以上の構造や用途、面積を持つ建物は建築士による設計でなければいけません。
設計は公的機関によりチェックを受けますが、建築士の裁量に任させている部分も少なくありません。
その部分では建築士が判断し〇を付ければ〇なのです。
逆を返せばその分責任は重いのです。
建築確認という制度があり、都市計画法による都市計画区域内で適用され、都市計画区域外では適用されません。
そこであれば誰が何を設計しても良いような錯覚を感じている人もいます。
どこであれ建築士が設計するべきと定められた建物は建築士による設計でなければいけません。
ただチェックする機関が関わらないだけで、設計の落ち度による事故の責任はどこでも同じにあると言うことです。